第6章 6 (裏なし)
………………。
ゆっくりと目を開ける。
空はまだ暗い。
今何時だろう…。
時計を見ようと半身を起こしそうとしたとき、誰かが枕元に立って私を見下ろしているのに気づく。
「…………起きたのか。」
「…………リヴァイ!!」
リヴァイだった。
ただ何も言わず私の顔を見つめている。
「リヴァイ……いつからここにいたの?」
「……忘れた。」
暗闇の中で目を凝らせば、リヴァイの服は私服じゃない。
「今、何時?」
「………1時だ。午前のな。」
………………。
リヴァイはいつも11時くらいにお風呂に入るはずだ。
私服じゃないって事は…
…………ずっとここに?
「リヴァイ…来てたなら起こしちゃって良かったのに。」
「起こすのは酷だと思ってな。」
そう言ってリヴァイがしゃがむ。
グッと私達の顔が近くなる。
「平気か………?」
影でリヴァイの顔はよく見えない。
けど、声色は優しかった。
「うん…ありがとう。」
「そうか…
さっき、額を触ったがずいぶん熱かった。
それよりお前、いい加減何か食え。」
「えっ…ハンジ何も持ってきてくれなかったの?」
「………………。」
「なんだよ…ひどいなぁ。水くらいは持ってきてくれてもいーのに…」
「俺が持ってきた。」
「え?」
気づくと、ベッドの近くのテーブルに、パンとスープが置かれている。