第1章 1 (裏なし)
「………エレン・イェーガー?」
ボソッと呟くと、真ん中の人がそっとうなずく。
2人が付き添いでくると言っていたっけ。
「そして………
ミカサ・アッカーマン?
アルミン・アルレルト?」
「「はい。」」
「そう。わかった。
そんなに緊張しなくて大丈夫。
逆に変に緊張してると怪しまれるから、
顔は見えないようにして、挙動不審にはならないで。」
エレンという少年は大きな目をそっと伏せてうなずいた。
15歳か16歳だろうか。
こんな幼い少年が、調査兵団の希望なのか。
「今回は、地下道を通ってウォール・ローゼまで抜ける。
ただ歩くだけだから、なんてことないね。」
「はい。
でも、ソフィアさんの協力なしには出来ないことです。」
「まぁね。」
地下道に入れば、ほとんど人はいないから安全だ。
地下道の入口まで、あと3キロくらいか。
なんか、危ない橋を渡ってる感じが全くしない。
といっても、今、憲兵団と王政の命令に逆らっている。
重罪だ。
気を抜いちゃいけない。