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《イケメン戦国》初恋〜運命の赤い糸〜

第7章 〜それぞれの自覚〜


『じゃ、ちょっと行ってきますね!』
と言う、雪姫に栞は立ち上がろうと
したが、千草に握られた手を
引っ張られた。

不安そうに、見上げる栞を
(大丈夫だから)と言うように
ゆっくり瞬きし、目で
合図すると、優しく微笑んだ。

『気を付けて行ってくるのですよ!』
と千草に言われ、『はーい』と
行って、歩き出した。

雪姫の後ろ姿を見送っていると
やはり、男が後をつけて行くのが
分かった。
栞達から少し距離をとったところで
男が自分についてきている事を
確認する為一度、振り返り
栞達に手を振った。

そして、前を向き少し歩いたところで
雪姫は、急に走り出した。
『逃げたぞ』の男の声に雪姫の方
に注意が向けられた一瞬の隙に
千草は、栞を連れ団子屋と隣の建物の
隙間に身を潜めた。

『おい!こっちも消えたぞ』と
言う声とともに、バタバタと
走り去る足音に集中していた。

それから千草は
怯える栞の手を握り小声で
『栞様、雪姫様の御意思を
無駄にしない為にも城に
急ぎましょう』と言った。
栞は、コクっと頷いた。
栞も、一刻も早く城に戻り
雪姫を助けてもらわなくては
と思っていたからだ。

二人は、辺りを警戒しながら
スッと人混みに紛れながら
早足で城に向った。

無事に城に到着すると
すぐに信長に報告した。

千草の報告を受けみるみる
顔色が変わり見たこともない程
険しく厳しい表情になる信長。

『私がついておりながら
申し訳ございませぬ』と千草は
畳に頭を擦りつける様にして
詫びていた。

栞も自分が無理に連れ出した
せいだと責任を感じ
雪姫が心配でただただ
泣くばかりだった。

すると栞の心情を汲み取るように
『貴様のせいではない、
貴様が無事で安堵した』
と頭を撫でた。
千草には、
『もう、よい、気にするな
どうせ、あやつが貴様に
そう命じたのであろう?
後は、わしらに任せよ

それと隣で泣いてるこやつを
宥めてやってくれ』と
千草の方をポンと叩いた。

そして、険しい表情に戻ると
武将達に、一刻も早く
雪姫を、探す出す様に命じた。

『はっ!』と返事をした後
武将達が一斉に城から出て
雪姫の捜索に向った。








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