• テキストサイズ

《イケメン戦国》初恋〜運命の赤い糸〜

第7章 〜それぞれの自覚〜


『しかし、たった一ヶ月で
あの栞を、あそこまで
姫らしく仕上げたものだ
大義であったの』と信長は、雪姫を褒めた。

『いえ、私は、ただ栞さんを守りたい
と言う信長様のお心に添うたまでのこと。
私も栞さんをお守りしたかった。
何より、努力を惜しまれず頑張られた
のは栞さんですから。栞さんご自身の力で
姫君になられたのだと思いますよ。』
(それに、これがせめてものご恩返し
になってくれたらと願うたまでのこと。
もし、いつの日か、信長様の隣に栞さんが
座る時、自信を持って座れるように。
そして、信長様を支えて下さるようにと。


『でも、信長様、油断は大敵ですわよ。』
と子供っぽくおどけて雪姫はいった。

『何がじゃ?』

『今日、信長様が栞さんを口説く姿を
不機嫌そうに家康様が見ていらっしゃい
ましたよ。それに今日、栞さんをお披露目
してしまいましたから、今後は、恋敵がいっぱい
お出ましになるやも知れませんよ』
とクスクスと笑って見せたが
その時の家康の表情を思いだすと
心は、曇った。

信長は、(そう、受け取ってしまったか)
と思ったが、ふっと笑い
『栞は、誰にもやらん。わしのものだ
それに、家康がその時どう思って
いたかなど、家康にしかわからんからな』と
言うと、注がれた酒を一気にまた
一気に飲み干した。

『しかし、貴様もよう笑うように
なったな』と雪姫を慈しむように見つめた。

『はい。これも栞さんのお陰です。
麗らかな春のような
栞さんといると、陽だまりに包まれて
いるようで、私は癒されます。
栞さんみたいに、もっと温かく
なりたいそう思うと、自然に心を
見せられるようになりました。
流石、信長様の御目に叶う方で
いらっしゃいます。
人を、癒す力がおありなのだと
思います』微笑んだ。

『そうか』と優しく言うと
『貴様も、疲れたであろう
今日はもうよい、休め』

『はい。では信長様も深酒を
なさらないよう、ほどほどに
お願い致しますね』と、優しい笑みを
浮かべ、自室へと戻っていった。

(鷹山よ、貴様の娘は、貴様そっくりの
才に長けた、優しい姫に育ったぞ
貴様も見ておるか・・・)
そういって月を眺めた。


しかし、雪姫と栞の身には
着々と怪しい影が忍び寄ってきていた。

だかまだこの時は、気づいて
いるものなど誰一人いなかった。







/ 226ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp