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《イケメン戦国》初恋〜運命の赤い糸〜

第5章 〜未来から来た姫君〜


栞は、大丈夫と一度は断ったが
雪姫に説得され、渋々、家康の診察を受けた。
もちろん、健康状態に何の問題もなかった。

診察を終えた家康は、
『まぁ、そもそも、そんだけ食欲あったら
大丈夫でしょ』と、空になっている
昼餉の膳に視線をむけ家康は鼻で笑った。

栞は、そんな家康にカチンとした。
その、小馬鹿にしたように
鼻で笑った感じが〔お前、大食いな女だな〕
と言われてる気がしたからだ。それで思わず

『家康様って、結構、意地悪ですよね』
と口に出してから、自分が物凄く
失礼なことを言ってしまったと後悔した。

栞は、本来、初対面の人にそんな失礼な
ことを言う人間ではなかったが

自分が昼餉をガッツいて食べてた
ところを見られてしまったような
恥ずかしさからの八つ当たり。
ついでに、信長様に揶揄われた腹いせの
八つ当たりも上乗せされ、つい口が滑った。

『はぁ?初対面のあんたに、言われたく
ないんだけど』とムッとする家康。

一度は、しまったと反省した矢先
感じ悪くいい返され、まだ、
腹の虫が治らない栞に火が付いた。

『初対面だろうが、二回目だろうが
意地悪な人は、意地悪じゃないですか』

(何、こいつ)『感じわるー』と呆れる家康。
『人に、お茶吹きかけといて、その態度?』

『お、お茶は、信長様が突然、変なこと
言う・・から、びっくりして!・・事故
そう、あれは事故みたいなもんです!
不可抗力です!』

『はぁ?俺、謝ってもらってないんですけど
誰かさんが、子供みたいにビービー泣いて
煩いから、黙ってたけど』

(うわっ、根にもってる、ちっちゃ
この人が、あの徳川家康?あの有名な?
なんか、ガッカリ、ホトトギス鳴くの
絶対、待てない人でしょ!)

『あーそうですか、じゃ、謝ります
すみませんでしたー』

『ぜんっぜん、気持ちこもってませんけどー』

『えー、そうですか、家康様ならこんな
感じで謝りそうですけどー』

二人のやりとりを、ピンポンでも
みているように、右、左と見ていた
雪姫だったが家康の言い方を栞が
真似たところで(家康様そっくり!!)と
思ったらもう、我慢できなくなって

両手で鼻と口を隠し
突然『あははは』と笑い出した。

目が飛び出るほど、びっくりしたのは
言い争っていた、栞と家康。
そして、パチクリと目を合わせた。




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