• テキストサイズ

《イケメン戦国》初恋〜運命の赤い糸〜

第5章 〜未来から来た姫君〜


一方、雪姫もまた、
万華鏡のように、くるくると
忙しく、表情が変わる栞を
とても、美しく、愛らしい方だと
見惚れていたのだった。

その、一時も同じでいない
表情に吸い込まれてしまい
つられるように、先程は
笑みをこぼしたのだった。

(笑ったかと思うと、落ち込んで
落ち込んだかと思うと、驚いて
本当にお忙しい方。でも、とても
可愛らしい。それでいて、春の
日差しに包まれるように、お側に
いるだけで、何故かとても癒される。)


そして、無意識に
(きっと、家康様の想い人も
栞様のように愛くるしい
春のように温かな方なのでしょうね)
そう思っていた。


それは、同時に芽生えてしまった
栞に対する雪姫の
小さな、コンプレックス。

栞を羨ましいと言ったのは
雪姫の本音だったのだ。

雪姫もまた、『雪姫さん?』と
栞に声をかけられ、ハッとし
我に返った。

そして、すぐに
『栞様、丸一日何もお召し上がりに
なっておられないので、お腹がすきました
でしょう?すぐに準備致しますね』と
立ち上がり、部屋から出ていこうとした。

(丸一日、人様の家で眠りこけて
その上、ご飯までご馳走になんて
なれないよ)と焦った栞は、

『雪姫さん、大丈夫です
私まだ、お腹すいてない』
と言い終わった途端、お腹が『グゥゥ〜』と
嘘つくなーと言わんばかりに鳴った。

(//// カァ〜、恥ずかしい ///)

雪姫は
『お腹が、嘘言わないでって
おっしゃってますよ!』と
またもや、クスっとした。

栞は、観念したように
『はい、ずびばぜん、じゃ遠慮なく
ご馳走になります』
とちょっと恥ずしそうに、ショボくれる
ように雪姫に言った。

それから、雪姫が用意してくれた
昼餉を美味しい、美味しいと
言いながら、ペロっと平らげた
のだった。





/ 226ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp