• テキストサイズ

《イケメン戦国》初恋〜運命の赤い糸〜

第4章 〜再会〜


家康の部屋に到着し
襖を開けると
やっぱり、大丈夫ですと
来た廊下を戻ろとする雪姫。

家康は、雪姫の腕を掴み

『ハッー』と小さなため息の後
『大丈夫か、そうでないかは
俺が判断することだから
あんたは、黙って、そこ
座って』と部屋の中を指差した。

雪姫は『申し訳ありません』と
消えそうな声で言うと
部屋に入った。

早速、雪姫の手首を診る家康。

手首は、赤く腫れ上がっていた。
骨折の確認の為に
『ちょっと動かすよ、痛かったら言って』
と手首を動かすと、『つっ』と苦悶に歪む
雪姫の顔。

『痛かったら。我慢しないで』とまた家康。

『大丈夫です』と雪姫。

そのやりとりが、記憶がないのに
懐かしく感じる雪姫。

『骨折は、してないね、でも酷い捻挫だから
しばらくは、安静にして』と

塗りぐすりをそっと塗り、貼り薬を
貼って包帯が巻かれた。

その手際の良さに見惚れながら
いつの間にか、視線は真剣な顔の
家康に釘付けになっていた。

包帯を巻き終わり、ゆっくり
視線を上げながら

『あと、しばらくは毎日、貼り薬
交換しに・・』(/// !! ///)目が合った。
慌てて視線をそらし『きなよ』と小さく
言うと

『分かりました。手当てして下って
ありがとうございます』の声に

家康が雪姫に再び視線を
戻すとそこには、これまで
見たことのない

ふわりと花のように微笑む雪姫の笑顔。

<ドクンッ!!> ・・・

今までにないくらい、胸が締め付けられた
どうしようもない切なさが込み上げた
桜奈と重なる、その笑顔に
気を抜いたら、泣いてしまう

家康は、桜奈の面影に
引き寄せられるように、唇だけで
『桜奈』と呟きながら
無意識に伸ばした手を
雪姫の頬にそっと当てていた

雪姫は、少し驚いた。けれど
家康の翡翠色の瞳に吸い込まれ
動けなかった。
自然に頬に触れている家康の手に
自分の手を添えていた。

どこか懐かしい、でも思い出そうと
すると、胸が苦しくなる

ただ、これだけは、確信した。
かつて、家康様と同じ瞳の色を
した人に真っ直ぐに見つめられ
愛されていた自分がいたことを。

そう思うと締め付けられる
切なさに雪姫の瞳は涙で潤んだ。
そして、一筋の涙が、頬を伝った。









/ 226ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp