第15章 〜結実〜
『でも、この時代で桜奈さんと
巡り会いました。とても美しくて
優しくて、そして、芯の強い女性です。
女の私でも、その容姿にも人柄にも
惚れ惚れするような人です。私は桜奈さんに
憧れを抱きました。私もこんな素敵な
女性になりたいって。本当に優しくて
桜奈さんに助けられ支えられ
なんとか、戦国時代に生活できるように
なっていきました。
更に、姫として必要な事を教えてもらい
織田家ゆかりの姫にしてもらいました。
立場がしっかりしたことで
城の人達はからは、認めもらい
信頼されるようになりました。
初めは、怖くて恐ろしい
と思っていた信長様ですが、誰よりも
優しい、慈愛に満ちた人だと気づき
私は信長様に惹かれていきました。
私がこの時代に来てすぐの頃
ワームホールに(時間と空間を超える通路)に
京都で、一緒に飲み込まれた人に再会しました。
名前は佐助君って言います。
佐助君は私より4年も前に飛ばされてて
一緒に飛ばされた私をずっと探してくれて
いたらしく再会した時に、3ヶ月後に
ワームホールが開くから現代に
帰れるよって教えてくれました。
最初は、もちろん帰るつもりだった。
でも、姉妹のように仲良くなった
桜奈さんや、何より信長様を
愛してしまった私は、迷いに迷って
この時代に残る事を決心しました。
パパとママにどれほど心配を
かけてるかと思うと、胸が苦しくて
どうしても、私の無事と幸せに
暮らしていることを知らせたくて
荷物だけ送ることを思いついたの。
もし、できるならこの手紙が
読まれることを私は、願いたい。
それは、私が出会ってしまった
この時代の愛すべき人達と
今もずっと共に過ごしていられる
運命を選べたってことだから。