第15章 〜結実〜
次の朝
『くっ、頭いてぇ』と起きて頭を抱える家康。
(あれ?昨日、俺どうしたっけ?
確か、桜奈と一緒に部屋に戻って・・)
と考えていると
襖越しに『家康様?お目覚めですか?』と
桜奈の声がした。
『うん、今起きたとこ』と言うと
『失礼します』と朝餉を持って桜奈が
入ってきた。
『おはようございます。家康様。
昨日は、だいぶお飲みになられてた
ようですが、お食事はお召し上がりに
なれそうですか?』と桜奈。
『大丈夫、食えるよ』と二人で
食事を始めた。
家康は、昨日の夜の事が気になり
『あのさ、昨日、部屋戻ってから
俺どうした?すぐに寝た?』
ご飯を一口、口に入れたばかりの
桜奈は、家康を見たまま(///かぁ〜///)と
みるみる顔が赤くなって固まった。
(///あんな、強引な口付け、久しぶり
でしたのに覚えてらっしゃらない
みたいですね)
そして、すぐ目を逸らし
『はい、お部屋に戻ってすぐに
あの、その、眠ってしまわれましたよ。』
と、どぎまぎする桜奈。
(えっ?何その反応?まさか!)
『そう・・』とは、言ったものの
(何も覚えてない。はっー、何やってんだ俺)
と、がっくり肩を落とすと
(いや、でも、もうこれでいつでも祝言は
挙げられる。そしたら、桜奈がずっと
側にいる生活が待ってる!)と
今度は、顔が緩む。
そんな家康のコロコロ変わる表情を
眺めていた桜奈は、クスっと笑った。
『な、何?』と見透かされたようで
焦る家康。
『いえ、栞さんみたいに、表情が
くるくる変わるので、可愛らしくて』
『はっ?男に可愛いはないでしょ』と
家康は目元を赤くし、目を逸らす。
(//ったく、可愛いってなにさ。
可愛いのは、桜奈だろ//)
『そうでございますね、失礼しました』
とにっこりする桜奈。
(/// ほら、やっぱり///)
『桜奈、祝言なんだけどさ
なるべく早く挙げたから、後で
信長様のところに承諾をもらいに
行こうか?』と家康。
桜奈は、ぱぁっと明るい表情になり
目をキラキラさせ、満面の笑みで
『はい』と嬉しそうに答えた。
(///もう、待てない!今日祝言を挙げたい!
今すぐ、挙げたい///)と思う家康だった。