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《イケメン戦国》初恋〜運命の赤い糸〜

第12章 〜それぞれの覚悟〜


桜奈と栞は、夕餉を取り終え
お茶を飲んでいた。

『桜奈さん、家康の傷って
そんなに、重症なの?』と聞いてきた。

『はっきりとは、まだ分からないのですが
この前、痛めつけられた時の傷が
まだ、完治していなかったようなのです。

そこを敵の放った矢が運悪く
掠め、傷口が開いてしまったと
三成様は、仰ってました。

それで、出血が止まらない状態で
先陣に立っておられるようなのです』
と、桜奈は自分が家康の
傷の状態に気づけなかったことを
悔やみ、顔を曇らせた。

『でも、桜奈さん、そんな矢が飛んで
くるような戦さ場に行くのやっぱり
危ないよ』とまた心配する栞。

『戦さ場に行くのが怖くないと言ったら
嘘になりますが、それよりも私は
家康様を失うかもと思うことの方がよほど
生きた心地がしないのです。

信長様にもしっかりと叱りつけてこいと
仰せつかりましたから』と
少し寂しげに微笑んだ。

『はーっ、いつもながら桜奈さんは強いね』

『そうですか?信長様には頑固者って
言われてしまいましたよ。
これは私のわがままなのです。

私が戦さ場に行く事で、三成様にも
私を護衛しなくてはならない御負担を
おかけしてしまいます。

こうして、栞さんや信長様にも既に
心配をおかけしてしまっています。
きっと、家康様にお会いしたら
逆に、私が叱られてしまうことも
分かってはいるのです。

でも、家康様のことになると、どうしても
歯止めが効かない自分がいます。
だから強さと言うよりやはり
頑固者が正しいかと』と悪戯っぽく笑った。

『でも、それが桜奈さんらしいし
私には、家康を想うからこその
強さに見える!命をかけた恋って
感じで素敵』と栞は、頬にてを当て
うっとりした。

『あら、私には、栞さんの恋の方が
よほど素敵に見えますよ。

時を超えて恋するなんてそんな経験
何回生まれ変わってもあるかどうか。
その万に一つもない恋を目の前で見れるのは
私には奇跡ですもの』桜奈は微笑んだ。

『えへへ、まあね』と照れ笑いする栞。

『お互い、一生をかけてお側にいたい
と思える人に巡り会えただけで
奇跡のようなものなのかも知れませんね』
と桜奈は感慨深げに、穏やかな笑みを
浮かべた。

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