第12章 〜それぞれの覚悟〜
そう言うと四人で団子屋に向った。
栞は、佐助に相談してくるね
と言って、桜奈達とは
離れた場所に座った。
桜奈と幸は、二人の
話が終わるまで、待ちながら
お団子を食べていた。
『幸様、お茶のおかわりは?』
最初に話かけたのは、桜奈だった。
『あー、ありがと、まだあるよ。
そう言えばさっき、徳川家康の
許嫁って紹介されてたけど?ほんと?』
『はい、そうでございます』
『へー、あの徳川家康のねー』と
幸は、言った。
『幸様は、家康様を、ご存知で
いらっしゃるのですか?』
『ご存知も何も、てき!・・・
じ、城下に住んでて、知らない
奴は、いないんじゃないかな・・ははは』
思わず、敵と言いかけ、慌てて
誤魔化しながらお茶を飲んだ。
『さようでございましたか』と
家康が城下の人達にも慕われて
いるのだろうと思う桜奈は
にっこりと微笑む。
(/// やっぱ、すげぇ美人 ///)
と、桜奈に見惚れていた。
『幸様?どうかされました?』
ハッとした幸は、『いやいや、何でも
ないよ。ところで、あの二人何の
相談なんだろうなぁ、佐助に女友達
いるなんて、知らなかったな』
と少しげ怪訝な表情になる
『栞さんなら、どんな方とも
お友達になれる方ですよ。
私も、そのお人柄に惚れ込んでいる
一人でございますから』
『へっー、そうなんだ』と幸。
『きっと、幸様も栞さんの
お人柄に触れたら、お分りに
なると思います。』ふわりと
微笑む。
そして、また前を向き
ゆっくりとお茶を飲んだ。
(人のもんだって分かってるけど
俺は、あんたの方が気になるよ・・・)
そう思いながら、桜奈の横顔に
見惚れてしまう幸。
幸の心は、微かに揺れた。