第11章 〜決意〜
まず、光秀が内偵の結果を
報告した。
『四年前に、死んだはずの信玄も謙信も
生きいることは、前にご報告した通りですが
その二人が同盟を組み、織田領との
国境付近まで進軍を始めたと
報告が上がってきました。』
『そのままには、しておけないな。
支城を落とし、一気に織田領に
なだれ込むつもりかも知れない』と秀吉。
『そうであれば、早々に支城の守りを固め
時間を作らねばなりません。
総力戦になることを考え準備も
急がねばならないかと』三成。
『久々の大戦になるのは、腕がなるが
顕如がどう動くかでは、戦力を二分
されかねないからな』と政宗。
『信長様、支城の守りの先鋒を
俺に任せてもらえませんか?
お願いします。』と家康。
(この前の失態を挽回できる
またとない機会だ!武功を挙げれは
桜奈との祝言にも花を添えられる)
『家康、貴様、当然だが傷が完治して
そのような威勢のいいことを
言っているのだろうな』と、信長は
見透かすような視線を家康に送る。
『勿論です。』と信長を見据え答える家康。
『良かろう。では支城の守りは
貴様に命ずる』
『ありがとうございます。お任せ下さい』
と頭を下げる家康。
『三成は、総力戦になることを考え
その準備を急げ。それと共に家康の
後方支援にもあたれ』
『はっ』
『光秀と政宗は、顕如の動向を探れ。
もしこの戦に横槍を入れてくるようなら
貴様等が、顕如討伐の急先鋒だ』
『はっ』と光秀と政宗。
『秀吉は、わしの代理として
城の一切を任せる』
『では、信長様、自ら出陣を視野に
入れておられるのですか?』
『あれから、息を潜めているが
顕如のことだ、この機を逃すまい
必ず何か仕掛けてくるはずよ』
とニヤリとする。
『畏まりました。』と秀吉。
『では、各自、抜かるでないぞ!』
『はっ』武将一同。
会議が終わり、戦への準備に
向かう途中、桜奈に戦にいく
報告をする為に栞の部屋に立ち寄った。
襖越しに、『栞、桜奈はいる?』と聞くと
栞が『いるよ、どうぞ中入って』と招き入れた。