第11章 〜決意〜
栞は、桜奈の強さの
原点を垣間見た気がした。
『桜奈さんが、強い理由が
分かった気がする・・・
私も、強くなりたかったのに
なれなかったな・・・』
『そんなことは、ないと思いますよ
栞さんは、運命に翻弄されるように
突然、ここの世に置き去りにされて
しまわれました。
私がもし、今より五百年も昔の
世に置き去りにされたらと思うと
恐ろしくて何も考えられません。
でも、栞さんは、いつもいつも
どんな状況に置かれようとも
自分ができる今に、最善を尽くす
事ができる方です。その姿勢こそが
栞さんの強さだと、私は思っています。
だから、自分の生まれ育った世とは
全く違う世にいながら、こうして
逞しく生きてらっしゃる。
そんな方が弱いはずがないでは
ないですか。栞さんにとっては
当たり前過ぎて、お気づきになって
おられないだけですよ。
でも、他の者から見れば
それは、間違いなく『強さ』です。』
『えへっ、ありがとう桜奈さん
桜奈さんは、人を褒めるのが
上手だよね』
『あら、栞さん。私は、褒め上手
なんかじゃありませんよ。
思ったことしか言えませんから。
だから鬼にも変身できるのですよ
栞さんもお分かりでしょ。』と、
桜奈は、自分の頭に指を立て
鬼のツノを真似、おどけてクスクス笑った。
(///もう、可愛い過ぎて桜奈さんには、
敵わないよ。///)
釣られて、栞もクスクス笑った。
(そうだった。私、忘れてたよ。
私が、この時代で生きてこれたのは、桜奈さんや
信長様、武将さん達、城の皆に支えて
助けてもらっていたからだった。
信長様も同じように、同じ志を持つ多くの
人達に支えられて目的を果たそうと
してるんだよね。
私が支えて行がなければ、なんて言う
考えそのものが、自惚れだったのかも
天下布武を目指してか・・あれ?
平和な世の中を目指してくらいの
意味にしか思ってかなかったけど
本当はどういう意味なんだろう?)
栞は、気になって桜奈に
意味を聞いてみた。
『桜奈さん、今更で恥ずかしいけど
『天下布武』ってどう言う意味なの?』
『えっ?』と桜奈。