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《イケメン戦国》初恋〜運命の赤い糸〜

第11章 〜決意〜


『栞さん、それから、せめてお食事は
きちんと、お取りになって。このままでは
身体を壊してしまいます。そんな事になれば
ご両親も私達も悲しいですから』

そう言うと、桜奈は準備してきた
朝餉を栞の前に置いた。

『食欲がないの』と言った栞だったが
朝餉の美味しそうな匂いに『ぐぅ〜』と
お腹が鳴った。

『ほら。栞さん、またお腹が嘘言わないで
って言ってますよ。』と優しく微笑んだ。

『ハハ・・』と力なく笑う栞だったが

『桜奈さん分かった・・・これ以上
皆に心配かけたくないし、ちゃんと食べるね』
栞はやっと少しだけ笑みを浮かべた。

『はい、そうして下さると、私も安心です』
と桜奈は微笑み
『では、私は会議に行ってきますね。
終わったら、お茶と美味しいお菓子
持って、また伺います。』
そう言って、もう一度、優しく
栞を抱きしめた。

『うん、ありがとう桜奈さん』と栞。

桜奈は、会議の為に広間に向かった。

桜奈が広間に到着すると武将達は
既に着席し、桜奈を待っていた。

桜奈は、家康の隣に座ると
信長様に頷き合図した。

信長は、皆に栞が未来からきた事を告げた。
そして、栞から預かった、未来の品々を
皆に見せた。

三成『栞様と、初めてお会いした日に
仰ってたことは、誠だったのですね』

光秀『通りで、あんな珍妙な格好だった
わけか、あれは未来の着物だったんだな。
言葉も所作も違って当然か。』

秀吉『信じられないよ、未来からって何だよ』

政宗『それで、信長様は、栞が帰ることを
許したのですか?』

家康『本当に、それでいいんですか?』

それぞれ、矢継ぎ早に自分達の
思いを口にした。

信長は、『そのままなら長く咲いていられる
花を自分が愛でる為だけにわざわざ手折る
必要はないと思うたまでのこと。

栞自身がこの地に根をはる意思がないのなら
それは手折られた花と同じ。
いずれ、長くは持たずに枯れる。それを
わしは望まぬ、ただそれだけのことよ』

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