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《イケメン戦国》初恋〜運命の赤い糸〜

第10章 〜ありふれた日々〜


桜奈や信長に何かを
気づかれているとは思いもよらない
栞には、確かに悩みがあった。

桜奈が挨拶回りを
している間、自室で針子の
仕事をしていた栞は、少し
着物を、縫っては『はっー』と
小さなため息が出てしまい
針仕事がちっとも進まないでいた。

(佐助君が言ってた、ワームホールが
開くまで、1ヶ月切っちゃったな)

戻りたい気持ちと
このまま信長や桜奈とともに
過ごしていたい葛藤の狭間で
揺れていた。

(私には、デザイナーになる夢がある
パパやママだってどれだけ心配してるか・・
でも、現代に戻ったら、もうこの時代には
きっと二度と戻れない。桜奈さんとも
何より信長様と今生の別れになって
二度と会えなくなる。そんなの
悲しくて耐えられない。
かと言って、この時代で一生を終える
覚悟なんて持てないし、私どうすれば
いいのかな。)
そう思うと、涙が勝手に溢れて来る。

悩んでも悩んでも答えが出ない
ことに気持ちが沈んでしまう。

皆に悟られないように、つとめて
明るく振舞っているが(桜奈さんと
信長様、あと光秀さんには、このままだと
絶対気づかれちゃうよね。ほんと、どうしよう)
と、また肩を落とし『はっー』とため息が出る。

そこに『栞さん、いらっしゃいますか?』と
襖の外から声がした。桜奈がお茶を持って
来てくれた。

『桜奈さん、待ってたーどうぞ入って。』
とさっきまでの重い空気を振り払う
かのように、明るく答えた。

『失礼します。』と襖をあけ
桜奈は、栞の部屋に入った。

『お仕事中でしたか?お邪魔して
大丈夫でしたかしら?』と桜奈

『大丈夫、考えごとしてて、ちっとも
捗らないから、桜奈さんが来てくれて
嬉しいよ。話たいことも、聞きたい
ことも、いっぱいあったし。』と
久しぶりの女子会に心が躍る栞。

『あっそうだ、今朝ね、、政宗と
お饅頭つくったの。一緒に食べよう!』
と、桜奈の前にだした。

二人でお茶を飲みながら
色々と話始めた。
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