• テキストサイズ

《イケメン戦国》初恋〜運命の赤い糸〜

第2章 〜突然の別れ〜


竹千代が剣の稽古を終え、自室に
戻ろうとすると、奥の部屋から
何やら不穏な空気の話し声が耳に
入った。

竹千代は、気づかれぬよう
そっと近くまで行き
耳をそばだててみた、すると

『あの、忌々しい、鷹山め
殿からの信頼が厚いと思って
調子に乗りやがって』
『ククッ、だが、流石の殿もだいぶ
疎ましく思い始めているぞ』
『この、好機逃す手はあるまい』
『・・では、明日にでも』
とヒソヒソ。

桜奈の父が受ける義元からの信頼を
日頃から妬んでいた、筆頭家老達。
義元と桜奈の父の関係が悪化している
今こそ桜奈の父を策に嵌める好機だと
密談をしていたのだ。

竹千代は、一瞬後ずさり、青ざめた。
胸騒ぎと共に、とてつもない不安が
どっと押し寄くるのが分かった。

(鷹山殿が・・桜奈が危ない!!
何とか、このことを知らせなくては!!)

竹千代は、取り急ぎ文を書き
表向きは、桜奈への恋文として
早馬で向かわせた。
(頼む、気づいてくれ!!)
そう願う気持ちで早馬を見送った。

二刻ほどの時を経て
文は桜奈の元へと届けられた
のである。

嬉しそうに文を胸に抱え
ドキドキしながら竹千代からの
文あけた桜奈。
文には、

『君想う 熱く吹く風 止められぬ
身を焦がしゆく 紅葉が如く』

歌とともに、丁寧につつまれた
真っ赤な燃えるような紅葉の葉が
一枚。

紅葉を空にかざし、クルクルと
回しながら、わぁーきれい!!
と嬉しいそうに見つめる桜奈。

しかし、桜奈には歌の意味が
今ひとつ分からずにいた。

『そうだ!父上に教えて頂こう』と
今、開けたばかりの文を
大事そうに抱え父の元へと
向かった。
/ 226ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp