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《イケメン戦国》初恋〜運命の赤い糸〜

第9章 〜記憶の欠片〜


気を失った雪姫は、夢を見ていた。
(桜奈、桜奈・・・
私を呼んでる?誰?・・・桜奈
おいで桜奈・・・父上!母上!
ここにおられたのですか!桜奈は
一人で寂しゅうございました。
桜奈姫様・・千草!どこに行って
おった!桜奈を一人して!

桜奈、父も母も千草もずっと桜奈
の側におったぞ、気づかなんだか?

嘘じゃ、父上も母上も千草も桜奈を
一人にして遠くへ行ってしもうたでは
ないですか。桜奈は寂しゅうて
寂しゅうて・・・。

桜奈には、竹千代殿もおったであろう?
竹千代様もどっかに行ってしまわれた。
桜奈は一人ぼっちじゃ。

本当か?竹千代殿は桜奈の側に
おるぞ。ずっとずっと桜奈の側に。

今も桜奈だけを想うて、側におる。
ほら、見てごらん。

桜奈姫様!あっ、竹千代さま!
ここにおられたのか?

桜奈弱すぎ!ぷぅ竹千代様の意地悪!
竹千代様!

俺の心臓、止める気? えっ?竹千代様?

雪姫が好きって言った。 何故!
竹千代様が家康様に・・・

気づいたか桜奈
竹千代殿は、桜奈の側に
ずっといたのだぞ?

桜奈、泣いてはならぬぞ!
強くなって竹千代殿をずっと支えて
笑い合って生きていくのじゃ。

父も母も千草も、そなたの側に
ずっとおる。桜奈の幸せを
願ってるぞ・・・
いや、父上も母上も千草も
行かないで!行かないでー!)

『父上、母上、千草、行かないでー!』
と涙を流しながら空を掴むように
腕を伸ばした。

その手を栞がしっかり掴み
『雪姫さんしっかりして!』の声に
『栞さ・・ん』と雪姫は目を覚ました。

雪姫は、家康を失ったらと言う
恐れに、愛する者を次々に失った
あの日の恐れが重なり、そして
全てを思い出したのだった。

すぐにハッとし、
『栞さん!家康様は!!』と尋ねた。
『うん。命は無事、ただ・・』
『ただ、どうされたのですか!!』

『酷く痛めつけられたみたいで
まだ意識が、戻らないの・・・』

雪姫は、布団から飛び起きた
『雪姫さん、まだ寝てなきゃ!』
『雪姫様!』制止する栞と千草を
後にし、家康の部屋に向かった。


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