• テキストサイズ

【最遊記】金色の向日葵

第11章 ★ とある夜の、エトセトラ


「どうだ?熱くない?」
「うん、大丈夫!」
「でも、本当に雅の髪、きれいだな!」
「そっかな…」
「うんうん!!ずっと伸ばしてるの?」
「うん、切ろうにもなんか…決意というか…切るに至る事がなくて…それなら切るのもって思って…」
「そっか…」
「どうして?」
「雅、髪短いのも似合うと思う…」
「そう?でもなぁ…」

そう言いながらも悟空は一生懸命乾かしてくれている。

「雅って、いつもこんな大変な事してんの?」
「まぁ…でも慣れちゃったよ?」
「そうか?……よし!どうだ?」

そう言われた雅はそっと髪を触ってみる。しっかりと乾かし終えていた。

「ありがとう、なんか今日は楽しちゃった。」
「いいよ、こんな事。雅の髪触れたし」
「そう?クスクス」
「そう!!」

そう話してくれた悟空はドライヤーを片付けてくれる。そのまますぐに戻ってくると、ベッドの上に座り、雅に話しかけていた。

「雅は大事な人っている?」
「大事な人?」
「うん」
「三蔵とか、悟空や悟浄、八戒も大事な人だよ?それに亡くなってるけどお母さんとお父さん…」
「…そうじゃなくてさ」
「…ふぇ?」
「その…好きな人っていうか…」
「好きな人…かぁ…」

そう聞かれた時にふとネックレスを触った雅。その行動を見て悟空はじっと雅の目を見て問いかけた。

「もしかして…雅の好きな人って…三蔵?」
「えっっ?!?!……そんな事…無いよ…」
「はっきり言っていいんだよ?」
「……でも、もしそうだとしても、三蔵には無駄な、必要にしないものだろうし…」
「そうでもないと思う。」

雅はその時、初めて悟空の真面目な顔を見た。笑いや、皆と一緒にはしゃいでいる時の様な屈託のない顔でもなく…金色に光る目が雅を射ぬくかのようにじっと見つめていた。

「悟…空?」
「あんな三蔵…俺や皆、初めて見たんだ。だからきっと三蔵も雅の事嫌いとかじゃないと思う」

そういうとニカッとまた笑うと悟空はポスっとベッドに横堪えた。

「どっちにしてもさ?これからもずっと!宜しくな!!」
「うん、私の方こそ…」

そういって明かりを消してベッドに入った。



/ 122ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp