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【最遊記】金色の向日葵

第7章 宵の悪戯


残された3人は沈黙のまま部屋に戻る。

「何で雅は急に抱きついてきたんだ?」
「……そうですねぇ…なんででしょう…」
「…三蔵と何かあったのか?」
「あの三蔵が?」
「ないない!!ぜってー無い!」
「だろうな。でも意外とムッツリかもよ?」
「うーん。なかなか否定はできませんが…雅と2晩2人きり、という状況になったらいくら三蔵でも……」
「確かに…」

そう呟いていた。

「でも、もし仮に三蔵と何かあったとしたらその後に俺らに抱きついてどうしたんだろう…」
「うーん。其れが謎なんですよね。どうしたんでしょう…」
「……まぁ、俺は雅に抱きしめられてドキドキしたけど?」
「……まさか…」
「どうした?何々?!八戒!!」
「2人に何かあったのではなく、雅に何かあった、そしてその感覚と僕らとで違いがあるかを確認した。とか?」
「…なるほど…」
「それなら三蔵がどうこうじゃなくなるもんな…」
「確かにな…」

そうして3人の妄想は止まらなくなっていった。

「……やべ、俺ちょっとトイレ…」
「やーらしぃぃ!!悟浄!」
「うるせぇ!」

そう言いながらも悟浄はトイレに駆け込む。少しして戻って来た時にはすっきりとした様子の面持ちだった。

「でも、もしそうだとしたら今後三蔵と雅を同じ部屋にっていうのもまずいですね…」
「そうだな…」
「確かに―!!雅があぶねぇ!!」
「いや、危なくは無いと思うが…」
「悟空、話をこじらせないでください?取りあえずこの件は保留にしましょう。」

そういって一致団結と言わんばかりに3人は顔を見合わせて頷いた。


一方その頃の雅は。

目を覚ました時の三蔵用に持ってきたコーヒーを置いてそっと寝顔を見つめていた。

「どうしちゃったんだろ…私…」

そう考えていた。すると時期に三蔵も目を覚ます。

「……ンン」
「あ、起きた?」
「……あぁ。」
「コーヒー貰って来てるけど飲む?」
「あぁ。」

そういいながら寝ぼけ眼でベッドの淵に腰かける三蔵。その様子はいつもと変わら無い物だった。

(よかった…私がもぐり込んじゃってたの…気付いて無いみたい…)

その様子を見て雅は胸を撫で下ろしていた。
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