第10章 誇りと誓いをこの腕に
「私があの日、お前を殴ったのは中途半端な覚悟であの海賊団にいたからだ。私はここを拠点して各地をまわっているが、赤髪に何かあれば命を賭して戦う覚悟が出来ている。お前はハートの海賊団に命を賭ける覚悟が出来たのか?」
クレインの言葉にリオは迷わず頷く。
「もちろんシルバークロウとして生きる。それは師匠に誓ったから…でも一人の人間として彼らの力になりたい。彼らを守って支える力がほしい。
そのためにはこの新世界で修業して力をつける必要がある。どんなスパルタでも耐えてみせる…どんなことでもする」
リオの強い目と言葉を聞いたクレインは頷き、わかったと伝えた。
「ではもう一度、私が修業をつける。前のより厳しいぞ…覚悟はあるか?」
その言葉にリオは少し考え、腰に装着していた小型ナイフを抜く。
そして後ろ手に長い銀髪を掴むとナイフで切る。
それは昔、師匠である先代に誓った時と同じ行動。
長い髪は昔のように肩につくくらいのショートヘアになる。
「これが私の覚悟よ」
弱い自分から強い自分へ。
それを見たクレインはフッと笑い、シャンクスを見る。
「すまない、弟子も一緒に乗せてもらえるか?」
「どうせNOって言っても乗せる気だったろ…まぁシルバーク
ロウが船に乗るのも面白れぇ。乗れよ」
シャンクスはそう言うと自身の船に乗っていく。
クレインもそれに続き、リオは自分が持っていた髪の毛を海へ離すとキラキラと光りながら風に運ばれていった。
それを見届け、リオはレッドフォース号へ乗り込んだ。