第9章 つなぎと彼女の決意
「ふざけんな…!」
ローは手紙の内容を読み、そう呟く。
そして船長室隣にある物置へ入るとリオの着替えなど私物がそのまま置かれていた。
荷物がそのままという事は手紙にある戻ってくるという事は嘘ではない。
しかし、激しい戦争の中に彼女一人が残っているという事実に壁を殴る。
今すぐにでも探しに行きたい。
『……気に入っただけの理由であいつを留めるな。あいつが降りたいと言った時は何も言わず降ろしてくれ』
あの日、クレインから言われた言葉も頭に浮かぶ。
彼女の想いも汲んでやりたい。
しかしクレインの一件で怪我をし、まだ完治していない彼女。
クルーに迷惑をかけたと何度も口にしていた彼女。
責任感が強い彼女がおそらく考えた結果がこれなのだろう。
しかし、納得するにはまだ早い。
彼女の口から聞くまでは納得するつもりもない。
「浮上―!」
シャチの声が聞こえ、ローは物置を出て持っていた手紙を机に置く。
そして愛刀を肩に担ぎ甲板へと向かった。
甲板に出ると大蛇と王下七武海であるボア・ハンコックが何やら話していた。
ルフィの容体を心配するハンコックにローが説明していく。
説明が終わった後、ローは再度口を開く。
「マリンフォードに…銀色の長い髪に右腕に包帯を巻いた女がいなかったか?」
「銀髪…シルバークロウじゃな。確かにおったぞ」
「あいつは無事か?」
「詳しくは知らぬ。だが死んではおらん」
ローはその言葉に安堵する。
「船長?リオがどうしたんすか…?」
「キャプテン?」
二人の会話からリオに何かがあったのではないかと心配する3人。
ローは3人にリオがマリンフォードで降りていた事、机に置かれていた内容を伝えた。
「今はとにかく安全な場所に向かうのが先決だ。リオの事は俺に任せろ」
ローの言葉にハートの海賊団はまずはルフィの治療が行う事が出来る女ヶ島に向かう事になった。