第9章 つなぎと彼女の決意
しばらくしてハートの海賊団一行はマリンフォードへたどり着いた。
ローを始めとするクルーの声が甲板や船内から聞こえる。
リオは船長室の机に手紙を置き、船長室を出る。
そして食堂の中に入ると手をかざす。
「アクアスピリット(水の精霊)」
リオの言葉の後、食堂に水で作ったリオの分身が現れる。
もし、まだこの船がマリンフォードにいる間に自分がいないと分かれば無理にでも探しに来るかもしれない。
この技は離れれば意味が無いが、彼らが潜水して逃げるまでの間自分の代わりになる。
分身が食堂内で動くのを確認し、リオは能力を使って船内から出て甲板の隅に立つ。
「……頑張って逃げてね、ロー」
リオはそう言うと水力で甲板を蹴り上げ、ロー達に見つからないようにマリンフォードの地に降り立つ。
「誰か船から出てきたぞ!」
「捕らえろ!」
リオは自分に向かってくる海軍を体術と水の能力で倒していく。
そしてローの船に向かって攻撃しようとする大将たちを見つけると海から水玉を浮かばせる。
「ポイス!」
過去にローに行った海水を用いた技。能力者であれば力が抜け満足に能力を使用できない。
すぐに投げていくが、何かが自分達に向かってきている事に気づいた大将達は水玉を避けていき、その周りにいた海兵達にくっつき数人は倒れていく。
「ちっ…やっぱ大将相手は無理か…」
リオがそう呟くと再び自分を海軍が捕らえようと囲んできている事に気づく。
「自然系の能力者だ!気をつけろ!」
「アクアピラストロ(水柱)!」
すぐに自分の周囲に水を発生させ、柱状に水を立て一掃していく。