第8章 シルバークロウの弟子
「ここまでが知っているあいつの全てだ。俺から離れた2年の間に悪魔の実の能力者になってたのとシルバークロウとして世界を飛び回っていたらしい」
クレインがリオの過去を全て話し終えたのかそうローに伝える。
「……情報感謝する」
ローは木に身体を預けながら今まで聞いた話を思い返す。
幼い頃より師匠と行動していたリオ。
おそらく師匠は親代わりだったのだろう。
それを自分の目の前で海賊に殺された。
師匠の全てを背負うと誓い、目の前の男に教えを乞いた。
「先代を殺した海賊はどこにいる?」
「奴らはシルバーを殺した後、その島を占拠しアジトにしているらしい。リオには情報屋になるなら奴らに手を出すなと言っているから今でも奴らはのうのうと生きている」
「そうか…」
「……これで情報屋としての仕事は終いだ。ここからは一応弟子であるあいつのことだ。お前はあいつをどうする気だ」
クレインはそう言うとローはフッと笑う。
「リオはうちのクルーだ。船長である俺が守る」
クルーになれと言った事はないが、もうリオはハートの海賊団にいなくてはならない存在になっている。
ローもリオを気に入り、高額の支払いを理由に船にとどめているのだ。
「……気に入っただけの理由であいつを留めるな。あいつが降りたいと言った時は何も言わず降ろしてくれ」
クレインはそう言うと歩いて行く。
「あとリオに伝えてろ、ナズナの花言葉を思い出せと」
「ナズナの花言葉?」
「伝えたぞ、さらばだ」
クレインは別れの言葉を言うとローの前から姿を消した。
ローはそれを見届けると自分の船に戻っていった。
『自分の弟子をボコボコって…相変わらずお前は怖いなクレイン』
ローから離れたクレインは子電伝虫で誰かと通話していた。
「腑抜けたあいつを正そうとしたが…あれは私だけでは無理だ。あいつ自身が決める事だ」
『俺達は最初からそう言っただろ?それを聞かなかったのはお前だ』
「可愛い弟子だからな。一度そっちに戻る。新世界に入ったらまた連絡する…赤髪」
クレインは通話を切ると自身が宿泊する宿へと向かった。