第8章 シルバークロウの弟子
穴の中に土を入れ、クレインは墓石の代わりに木の枝を拾った時に見つけた平たい石を地面と水平になるように埋め込む。
リオはシルバーから外された装飾品を自分の鞄に入れて立ち上がり、クレインを見る。
「……私は情報屋…シルバークロウになります。お願いします…情報屋として必要なことを全て教えてください」
頭を下げてそう願う彼女を見るクレイン。
「私の教えは厳しいぞ、ついてこれるか?」
「ついていきます、なんでもします…」
「じゃあ行くぞ、お前たちの船を使う」
「はい」
クレインはリオの返事を聞き、歩いて行く。
リオは師匠が眠る場所を一度見て、頭を下げるとクレインの後を追った。
それから5年後。
リオは目の前に広がる海を見ていた。
師匠が死んで5年。クレインの元で情報屋としても心得、交渉術、戦闘になった時の戦闘術等の修業を積み、今日シルバークロウとして海へ旅立つ。
「5年か…早いものだ」
リオの後ろでクレインがそう呟く。
あの日、短く切られた髪は元通りの腰ぐらいの長さになっていた。
「ええ。ありがとうクレイン」
リオは港に停泊している商船へと向かっていく。
「リオ、もしお前が腑抜けているような情報が入ったら私が正しに行く。」
「肝に銘じておきます。じゃあ行ってきます」
リオはそう言って船に乗り込んだ。