第8章 シルバークロウの弟子
海賊がその場を去った後、島に雨が降った。
雨が降る中、クレインとリオは息絶えたシルバーの側にいた。
リオは何も言わず涙を流しながらシルバーの亡骸を抱きしめており、地面にはシルバーから流れる血が広がる。
(そいつを頼んだ、か…)
シルバーが撃たれる前に笑って自分に伝えてきた言葉。
自分は助からないと悟ったのだろう。
「……リオ、俺と来い。俺がお前をシルバークロウにする」
クレインの静かな声でそう言い、リオが抱きしめるシルバーを抱き上げる。
「どこかに埋めるぞ、この地に眠らせるんだ」
クレインの言葉にリオはコクンと頷き、立ち上がる。
2人は一言も話さず、シルバーを埋葬する場所を探すため歩き出した。
2人は島にある山の中を歩き、海が見える野原を見つけた。
所々花が咲き土も柔らかいその場所にクレインはシルバーの身体を寝かせる。
「今土を掘れるような枝を探してくる。待ってろ」
クレインはリオにそう話し木の枝を探しに歩いて行った。
リオは周りを見渡し、ふと目に入った花があった。
「あれは…ナズナ…」
いつもであれば色んな場所に自生している花…。
リオはその花が持つ言葉を思い出していた。
ナズナが咲いている近くに行くと手で土を掘っていく。
土の中にある何かで切ったのか指の先が染みるような痛みがあっても、無我夢中で掘り進めていく。