第8章 シルバークロウの弟子
翌日。クレインは昨日同様島にある町の中を歩いていた。
(随分と海賊が多いな…)
仕事柄、人を見れば海賊か海兵か一般人かはわかる。
昨日歩いた時よりも海賊が増えてる事に気づいた。
(あいつらは…最近勢力を伸ばしている海賊…シルバーの客はあいつらか?)
クレインがそう考えている時だった。
「クレインさん?」
自分の背後から少女の声が聞こえ、振り返るとそこにはリオが立っていた。
「リオ、シルバーは一緒じゃないのか」
「はい。すぐに発てるように調達を頼まれたんです」
これから行きますと微笑みながらリオは答える。
「私も手伝うか?お前一人では大変だろう」
「本当ですか?ありがとうございます!」
クレインは歩いて行くリオの隣を歩いて行く。
「お前も将来情報屋になるのか?」
「はい!本当は師匠みたいなオルニスになりたいんですけど…それは無理って言われまして…それなら師匠みたいな情報屋になると決めました!」
「あいつみたいな情報屋か…ではあいつ以上に情報も知識も持たねばなれないぞ」
「そうですよね…今も師匠が持っている情報は頭にほぼ全て記憶してますが…師匠以上にならないといけませんよね…」
サラッととんでもない発言をしていたリオだが、クレインは気にせず歩いて行く。
「そういえばあいつの客は…」
クレインがそう言いかけた時だった。
バンッ!バンバンッ!
突然響いた銃声にクレインはとっさにリオを抱き寄せた。
「じゅ、銃声…?」
「向こうの方だな。小競り合いか?」
クレインが銃声した方を見るとリオが目を見開く。
「あっちは…師匠がお客さんと会ってる方向…!」
リオはクレインの手を離れ、銃声がした方へ走り出す。
「おい!くそ…っ」
クレインも走っていくリオを追っていった。