第8章 シルバークロウの弟子
7年前。新世界のとある島。
「ロクな情報が無いな…」
自身が知らない情報が無いか調べていたが、お目に適うものなくため息をついていた。
(シルバーがいれば言い値で買うのだが…)
小さな弟子と世界各地を回るシルバークロウ。
この広い世界で互いに旅しているので前回会った日から7年が経過していた。
他のオルニスも数年に一度会える程度。
クレインが歩こうとした時。
「クレイン?」
見知った声が聞こえ、声がした方を見る。
そこには変わらない姿の銀髪のシルバーと成長したリオの姿があった。
「シルバー、久しぶりだな。」
「ほんとだな。あ、なんか情報買わないか?」
「あとで買う。それより…このガキはあの時の?」
クレインは自分にペコリと頭を下げるリオを見てそう尋ねる。
「あぁ!そこらの情報屋より優秀な弟子になった!」
「そんな師匠…!」
「照れるな照れるな」
笑いながらリオの頭を撫でるシルバー。
「シルバー、しばらくこの島にいるのか?」
「いや、明後日には発つ予定なんだ。明日は私の情報買いたい海賊がいるみたいだから売りに行く」
「そうか。俺も今晩は休みたいから明日の挽にでも情報を買いに行く」
「了解!じゃあまたな」
シルバーは笑顔で手を振るとリオと一緒に歩いて行った。
これが、シルバーと交わした最期の会話になった。