第8章 シルバークロウの弟子
その夜、港にある船の甲板。
「なぜ弟子にしたんだ」
リオが寝た後、シルバーとクレインは甲板で酒を酌み交わしていた。
「んー…リオの過去だから詳しく言えねぇけど色々あって弟子にした」
シルバーは持っていた瓶の酒を飲む。
「あいつがいつか立派な情報屋になったら私はシルバークロウをリオに引継ぐ予定だ」
「あと何年かかるんだろうな」
「軽く10年は無理だなぁ」
ハハハッと笑うシルバーを見ながらクレインも酒を飲む。
「あ、でも…もし私に何かあれば…リオの面倒見てくれよ」
「俺はガキが嫌いだ」
「わかってる。でも、アンタにしか頼めねぇかな」
「……わかった。だがお前も死ぬような事はするなよ」
「たりめぇだ!」
クレインから明かされる言葉にローは黙って耳を傾けていた。
「オルニスは昔から存在し、今いる奴らも元々はそれぞれに師匠がいて、それを引き継ぎオルニスを守っている。シルバークロウはある日突然現れたイレギュラー…俺達全員の情報でも劣るぐらいの情報、知識を持っていた女だった」
「だから一人だけ名前が少し違うのか…」
「あとは先代の最期だったな…。俺とリオが出会って大体7年経った頃だ」