第7章 シャボンが舞う島、羽を休める鶴
「がっ…ぁ!」
「リオ!くそ…!」
ローが能力を発動させようとした時
「ポイス…」
リオからローに向かって水の玉が向かっていき、それは両手首にくっつく。
それがくっついた瞬間、ローは身体の力が抜けその場に膝をつく。
「キャプテン!」
「こいつは…海水か…!」
ローがリオを見ると右手に瓶が握られ、地面にはコルクが捨てられていた。
「手…出すな…これは私の問題…」
「ほう、賢明な判断だ」
「ゲホッ…」
リオはふらつきながら立ち上がる。
「情報屋は裏方と教えたはず、中途半端な覚悟で海賊に関わるなとも」
「バレないように顔は隠した…私は使命を忘れてない…」
「それが甘いんだ」
クレインはリオの胸倉を掴むと頬を一発殴る。
「ぐ…っ、は…相変わらずスパルタ…」
「情けない弟子を正すのが師匠の務めだ」
「私の…師匠は…っ、あの人だけ、だ…!」
リオがそう叫ぶとロー達の前に水を張る。
「この状況でも彼らを守るのか?」
「えぇ、だって…」
リオは左手でクレインのローブを掴み、右手に持っている物を見せる。
それは小さな金属片。
「これにあの人たちを巻き込みたくないからね…」
リオはそう言うと金属片を持っている右手を水に変える。
「金属ナトリウムって知ってる…?こいつは水に反応し…
爆発する。」
「貴様…!」
リオがニッと笑うと爆発が起こり、2人は爆発で生じた土煙で見えなくなった。