第7章 シャボンが舞う島、羽を休める鶴
「シルバークロウ、伝言を伝えてなかったな。
鶴がこの島で羽を休めてる、だそうだ。では私はこれで」
レイリーはそう言うと踵を返して走っていった。
「鶴がこの島で羽を休めてる?おい、どういう…」
ローがそう尋ねようとした時、リオの顔が強張っていることに気づく。
「リオ」
「あ…ご、ごめん。他のオルニスがここにいるみたい」
「他のオルニス?」
他のオルニスが来ているだけで彼女は何故こんなに困惑しているのか。
始めは分からなかったが、すぐにある人物が思い浮かぶ。
オルニスは鳥の英訳。
つまり、鶴の名前を持つオルニスがこの島にいるという事。
それは以前会ったオルニス、アウルの口から出た名前。
「……クレインとかいうオルニスか?」
「っ!……えぇ、できれば会いたくない人ね。早く行きましょう」
リオがそう促すとローを始めとしたハートの海賊団一行は走っていった。
「私に会いに来る気はないか…」
離れたところからリオを見ていたクレインはため息をつく。
「仕方ない…私から行くとしようか」
そう呟くとクレインは歩き始めた。