第6章 心が見せたもの
大将遭遇事件から数日。
リオは甲板に座り込む、先ほどカモメから買った新聞を読んでいた。
「世界政府に宣戦布告してエニエスロビーから逃げ延びたかぁ…情報通りイかれた海賊だなぁ」
リオが見ていたのは先日発生したエニエスロビーでの出来事の記事。
エニエスロビーに乗り込んだ麦わらの一味が世界政府に宣戦布告して暴れまわって逃げ延びたという。
「でも会ってみたいなぁ…この麦わらは情報の宝庫だろうなぁ」
大きな事件が起きればそれだけ様々な情報が駆け巡る。
麦わらの一味は数々の大事件を起こしているので得られる情報も通常の倍以上だろう。
そんな人間から直接話を聞いてみたい。
顔を緩ませながら新聞を読み進めていく。
「エニエスロビーが全滅って…少数精鋭の麦わらの一味があの施設壊すのは無茶でしょ…ってことはバスターコール発動しているのかなぁ。あれならオハラみたいに全部消せるしなぁ…」
一般人が知りえない情報も情報屋である彼女の頭には入っている。
記事を見ながらこのような考察は造作でない事。
「おい」
新聞に夢中になっていたリオは頭上で聞こえた声に上を向く。
「ロー、ベポとの話し合いは終わったの?」
「あぁ、それより何をニヤついてる」
「麦わらの記事。大きな事件の後は情報がたくさん巡るから楽しみだなぁって」
ローはリオから新聞をもらうと隣に座って新聞の内容を見る。
「麦わら屋か…おれもこいつに興味がある」
「私も。時々情報は出てくるけどここまで大きい事してると本人に会いたくなる」
「それなら…シャボンディ諸島で会えるだろうな。あそこには必ず立ち寄る必要がある。俺達の次の目的地だ」
「シャボンディ諸島かぁ…」
ローは立ち上がると新聞を持ったまま船内へと消えていく。
「ちょっ、まだ読みかけ!」
新聞を取り返そうとリオもローの後を追い、船内へ入っていった。