第6章 心が見せたもの
リオが船に戻った段階でほとんどのクルーが戻ってきていた。
ローに青キジがいた旨を伝え、ローも電伝虫で島にいる残りのクルーに直ちに戻るように指示をする。
いくら名のある超新星と言え、海軍の最高戦力とは出会いたくない。
クルー達が出港準備をしている中、リオは青キジの言葉を思い出していた。
『シルバークロウっていう銀髪に青い瞳の女知らねぇか?』
明らかにシルバークロウを探している口ぶり。
海軍の中で何かあったのだろうか。
「リオ」
色々考えこんでいた為かリオはローの呼びかけに応えない。
(ラークから情報を買うか…でも今更なんで師匠を探して…)
リオがうーんと考えていると突然両頬を引っ張られる。
「いっ!?」
「俺を無視とはいい度胸だな…リオ」
いつからいたんだ!?と驚くリオだが、武装色の覇気を使って頬を引っ張る力が少しずつ強くなる。
「いひゃい!いひゃいひゃらひゃにゃひえ!(痛い!痛いから離して!)」
「まずその前に言う事があるだろ」
「ふひひえほへんなひゃい!(無視してごめんなさい!)」
リオから謝罪の言葉を聞くとローは引っ張っていた手を離す。
痛い…と頬を擦るリオはローを見る。
「青キジに何もされてないか?」
「え?あ、あぁ…うん。見かけただけ…」
「そうか…」
ローはそれだけ言うとスタスタ歩いて行ってしまった。
しばらくするとすべてのクルーが戻ったのか海軍がいなくなるまで船を潜水させた。