第6章 心が見せたもの
『リオ』
聞き覚えのある声が聞こえる。
リオが正面を向くとそこには血に染まった師匠の姿。
「し、師匠…」
『情報は全ての要…私達は情報を紡がなければいけない…』
『お前は言った…私についてくると…』
『私が…シルバークロウになると…』
「あ…ご、ごめんなさ…私…!」
立ち上がろうとしたその時、手すりについていた手を滑らせてしまう。
バランスが取れない身体は手すりから後ろに倒れ、そのまま海へ落ちていく。
『私が…!私が貴方の全てを背負います…!!』
幼い自分の泣いた声が聞こえた瞬間、リオの身体は海へと叩きつけられた。
海に落ちたリオは息が出来ずもがいていた。
いくら水を操れても能力者の為、海の中での能力の使用はもちろん泳ぐこともできない。
意識が薄れたその時、誰かに強く腕を引かれ海面へと向かっていく。
顔が海の中から出た瞬間、リオは息を吸い込む。
「はっ、はぁ…っ、ゲホッゲホッ」
「大丈夫か!?リオ!」
助けてくれたのはシャチだったようでリオを連れ、急いで砂浜に向かう。
砂浜に着いたリオだが、海水で濡れたせいかうまく力が入らず横になる。
「はぁ…はぁ…」
「急に海に落ちてきたからびっくりしたぞ!大丈夫…」
シャチがリオに手を伸ばした時…