第6章 心が見せたもの
数時間後、船内で本を読んでいたローはふと窓の外を見る。
クルーのほとんどが暑さからか海で泳いでいる様子があった。
その中に探している人物がおらず、ローは本を閉じて船長室を出る。
途中食堂に寄るも彼女の姿は見えず、甲板に向かう。
甲板に出ると…
「……なんだこれは」
甲板には木の大きい葉が大量に敷き詰められ、その上には大量の魚の開き。
目的の人物は一番奥でしゃがんで葉の上に魚を置いているところだった。
「おいリオ、何をやっている」
ローの呼びかけにリオは立ち上がってローの方を見る。
「いっぱい魚取れたから保存食作り」
「これは釣りすぎだ」
甲板にほぼ隙間なく敷かれた葉、そして魚。
「まぁ無いよりはいいでしょ。ここ天気も良いし、保存食作り日和!」
「はぁ…まぁいい。台所はお前に任せてるしな…俺は戻る」
「あいよー」
ローは甲板を出て再び船長室に戻っていった。
魚を敷き終えたリオは甲板の柵の上に座る。
「んー…いい天気だなぁ…」
適度に吹く風を浴び、空を見ながらリオはそう呟く。
このハートの海賊団の船に乗り込んでしばらく経ち、この海賊団の食事をほぼ一任してもらっていた。
「このままここにいるのもアリかなぁ…」
そう呟いた瞬間だった。