第5章 梟の名を持つオルニス
リオ自身、この海賊団の雰囲気を気に入っている。
ローが乗れと言うなら乗っていたいのが本音だ。
「そんな俺様の客がどこにいるんだよ……わかったよ、前にも言ったけど高いよ?」
「構わねぇ。売れ」
リオはフッと笑い、どけてとローを押すがローは動こうとしない。
「えっと…トラファルガーさん?」
「このまま寝るぞ」
ローはリオを抱きしめるとそのままベッドに横になる。
「いやまだ早いけど…」
「俺は眠い。大人しく抱き枕になってろ」
ローはそれだけ言うと目を閉じた。
「はぁ…?勝手だなぁ…」
口ではそう言いながらもリオの口は緩んでいた。
(もう少し…この船に乗れる…)
今自分を抱き枕にしている男はどんなに言っても離す気はないだろうと抵抗もせず身を預ける。
しばらく船に乗れると安心すると眠気が襲ったのかふぁ…とあくびが漏れる。
リオは襲い掛かる眠気に逆らわず、目を閉じた。