第5章 梟の名を持つオルニス
「問題ない。むしろ好都合だ…おい、注文変更だ」
「あ?注文変更?」
ローは懐から札束を出して投げつけ、アウルはそれを受け取る。
「300ある。リオ…シルバークロウの過去も含めてすべての情報を売れ」
「マジかよお前…クククッ、面白ぇなアンタ…だが…」
アウルは札束から数枚札を抜き取ると受け取った札束をローに投げ渡す。
「悪いがあのシルバークロウの過去は俺よりも適任がいる。クレインっていう四皇専門のオルニスだ。その札束は欲しいが相応の情報は持ってねぇ。俺は今貰った料金分だけ情報を売ってやる」
「構わねぇ。」
「交渉成立だ…じゃあ教えてやるよ…」
ローとアウルから離れたリオは島の中心街を歩いていた。
(調達終わったのかな…今日は久しぶりの陸だから宴かなぁ…)
そう考えていたが、ある事に気づいて足が止まる。
「私…この島で下船するんだった…」
元々ロー達の支払いの為に乗船していた身。
アウルがいるこの島までの衣食住の確保を目的として乗っていたのでこれ以降乗る理由はない。
「……また一人か」
最近大人数での生活に慣れてしまったので一人での生活に戻ることに寂しさが募る。
「荷物まとめないと…」
もう少し船に乗りたい。
そんな気持ちが出るが、自身はハートの海賊団のクルーではない。
リオは振り切るかのように港へ向かった。