第5章 梟の名を持つオルニス
数週間後、オルニスであるアウルとの待ち合わせの島に一行は到着した。
船番を残し、調達も含めてクルーのほとんどは下船する。
ローとリオはアウルと会う為、二人で行動していた。
「この前場所まで打ち合わせしていたのか?」
「前の島で女の子からお花買ったでしょ?あれが待ち合わせ場所の情報だったの」
アウルとの待ち合わせは島のスラム街にあたる場所。その中を2人は歩いていた。
スラム街内、今に崩れそうなボロボロな住居の間を縫うように進む。
「おい、ここで合ってるのか」
「……合ってるわ。」
リオはそう言うととある家の前に止まる。
「来たわよ。アウル」
リオの一言と同時に上から人が降りてきた。
「お前がシルバーか…はじめましてだな」
リオとローは目の前でニヤリと笑う男を見る。
黒髪に赤いメッシュを数束つけ、金の瞳。
耳、口、鼻にピアスを付け、上下黒い服を着用している。
アウルはリオの後ろにいるローを見る。
「こいつか、俺の客は…」
「えぇ。ドンキホーテ・ドフラミンゴの…あんたが持っている情報全部」
「全部か…じゃあ200でどうだ?」
アウルに提示された金額にリオはローを見る。
「問題ない。続けろ」
「あいよ…の前に…シルバー、てめぇは下がれ」
「わかってる。じゃあトラファルガー、私は離れるから何かあれば呼んで」
リオはローの返事を聞く前に歩いて行き、それをローは見届ける。
「悪いな。同じオルニスでも客との商談時は離れてもらうのが暗黙のルールでな…」
リオが完全に姿を消したのを見てローはアウルを見る。