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Silver crow【ONE PIECE】

第3章 お支払いという名の航海


「……初めましてと言うわ。スパロー」
『クククッ…そうだな、お前には会ったことがない』

電話の主は海賊専門のオルニス、スパロー。
海賊を潰して懸賞金が掛けられた情報屋。

「なんで私の番号…いや、ラークから買ったのね…」
『あぁ。俺に懸賞金が掛けられるって聞いてな…せっかくだから話しておこうと思ってたんだ。』

自分が情報として番号を買ったように他のオルニスも自分の情報を買う。
そんな事は情報が行きかうこの世界では当たり前の事。

「……今海中なのになんで繋がるのよ」
『てめぇが死の外科医んとこにいるのも情報として買ってる…海中でも繋がる電伝虫さえ用意すれば…簡単だ』

スパローの声にリオの背中には嫌な汗がにじむ。
電話越しでも感じる威圧感。
その威圧感に気圧されてはいけない。リオは拳を握りしめる。

「……要件は?」
『…てめぇはシルバークロウじゃねぇ。俺はあいつ以外認めねぇ』
「要件はそれだけ?悪いけど師匠は死んだ。今のシルバークロウは私よ、切るわ」
リオはそれだけ言うと子電伝虫を切る。

「……はぁ」
リオはため息をつくとその場に座り込む。

(あれがスパロー…オルニスで一番危険な男…だっけ)

遠い昔、オルニス仲間にそう教わった。
まさしく狂犬。情報屋だけど客を選び気に入らない奴は容赦なく潰す。

(あ、でも師匠には従順だったんだっけ…)
そんな狂犬はなぜか自分の師匠の前では大人しかったらしい。
自分が師匠と共にいる間は会う事は無かったのでスパロー自身には会った事はない。
他の者がどんなに言っても歯向かっていたが、師匠の前では大人しくしていたのだ。

「……師匠、私どうしたらいいかなぁ」

貴方の意思も責任も全部背負ってシルバークロウを名乗っている。
貴方1人で築いた物を私は壊したくなかった。
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