第3章 お支払いという名の航海
「リオ!お前能力者だったのか!」
目をキラキラと輝かしてリオに詰め寄るベポ。
ロー以外に能力者と伝えていなかったため、先ほどの戦闘はロー以外のクルーが度肝を抜かれたようだ。
「え、えぇ…ミズミズの実の水人間よ…」
「じゃあ海の上じゃ最強だ!」
すごいすごいと繰り返すベポ。その後ろからペンギンが
「水を操れるけどカナヅチなのは一緒なのか?」
と問いかける。
「一緒よ。水分であれば基本は操ることが出来るわ」
「はぁ…便利な能力だな…」
クルーからの質問攻めに一つ一つ答えていくリオ。
ふと思い出したことが…。
「そういえばトラファルガーはオペオペの実の能力者だよな?」
「……あぁ」
なぜそれを知っていると聞こうとしたローだったが、そもそも世界一の情報屋と言われている彼女がローの能力を知っていても不思議ではない。
その時。
『ぷるぷるぷる…』
どこからか電伝虫の呼び出し音が鳴る。
リオが懐から小電伝虫を取り出すとその小電伝虫から呼び出し音が鳴っている。
「ちょっとごめんね」
リオは皆の元を離れ、人気がいないところに行くと応答ボタンを押す。
「こちらシルバー」
『……よぉ、お前が“今”のシルバークロウか?』
電話から聞こえたのは低い男の声。
リオはこの声に一人、心当たりがあった。