第24章 新しいオルニス候補者
2時間後。
クルー達の調達品の書き出しも終わり、ベポと次の航路について話し終わったローはいつまでたっても帰ってこないリオを探すため、フロア内にあるカフェに向かっていた。
先ほどまでいた広間から然程離れていないカフェを見つけ、中に入ると奥の席で楽しげな会話が聞こえた。
声がする方を見るとリオがこちらに背を向ける形で少女と談笑をしていた。
少女がローの姿を見るとビクッと会話が止まり、リオはその様子に自分の背後を見る。
「あ、ロー。打ち合わせ終わったの?」
「あぁ。食材も一通り揃えるよう伝えている。それでいいか?」
「大丈夫」
ローはリオの隣に座ると店員にコーヒーを頼む。
少女は目の前にいるトラファルガー・ローに固まっていた。
帽子を被っていない彼。目の下にある隈と鋭い目つき。
タトゥーがむき出しの腕と手。Vネックの首元からもタトゥーが少し見える。
(どこが可愛いんだろう…)
見れば見るほどリオがローを可愛いと言った意味がわからない。
「ロー、この子が候補者。私とお話する為にこのフロアまで足を運んでくれたの」
「へぇ。こいつが…」
「は、初めまして…トラファルガー・ロー…さん」
「そんな固くなるんじゃねぇ」
ガチガチに固まっている少女にそう言うが、その言葉で余計にガチガチになってしまう。
「それじゃ怖がらせちゃうでしょう…」
リオが苦笑いしていると店員がコーヒーを持ってきて、ローはそれを受け取ると一口飲む。