第24章 新しいオルニス候補者
「私はシルバークロウだけど、一人の女としてローに惹かれた。あの人の側で行きたいって思ったの」
「一人の女として…」
「大事な事よ?まぁクレインも赤髪海賊団を拠点にしているわ。みんな意外な場所を拠点にしながら情報屋やってるのよ」
「そもそも何故シルバークロウになったんですか?」
「故郷で…親に捨てられていた私を先代が拾って弟子にしてくれたの。師匠が海賊に殺されてからはクレインに修業つけてもらってシルバークロウを引き継いだの」
「そう、なんですか…」
「まぁ辛い事も多かったけど今楽しいから気にしてないわ」
リオはカフェオレが入ったカップをテーブルに置く。
「他に聞きたい事は?」
「その…左腕のタトゥーと…右腕のアームカバー…」
「あぁこれ…まぁ気になるよね。左腕は私の誇りと誓い。ハートはロー、お花は師匠へ。そして…」
リオは右腕を覆っていたアームカバーを取って傷が多く残る肌を見せ、その右腕に少女は目を見開いた。
「先代のスパローと数カ月前に戦った時についた傷。ローのおかげで動きには支障ないけど…まぁ見せて気持ちの良いものじゃないからね」
「先代って…今回捕まった人、ですよね?オルニス同士なのに…」
「勘違いしちゃダメ」
リオは右腕のアームカバーを直しながらピシャリとそう言う。
「私達オルニスは同業者であって仲間じゃない。こうやって集まって話し合いするけど互いの腹の中はわからないわ。現にスパローは私をシルバークロウと認めてなかったわ。衝突して…深手負ったけど最後には認めてくれた。今は師匠と共に私が心を預かってる」
リオは左手首につけていた2つのブレスに触れながらそう話す。
「じゃあ次は私の番、貴方の事聞かせて」
「わ、私ですか?!」
「私だけじゃ不公平だもの。それに候補と言ってもオルニスで女は私だけだったから嬉しいの。女同士でしか出来ない話もあるしね」
「じゃ、じゃあトラファルガー・ローの惚気も聞きたいです…!」
「貴方物好きね…いいわよ」