第23章 みんなで息抜き
「準備出来たなら行くか」
「はーい」
リオは自分の側に来たローの手を握ると部屋を出て、1つ下のフロアに降りる。
プールがあった場所の前を通り、フロア奥のバーへと入る。
少し暗めだが落ち着いた雰囲気のバー、2人はバーカウンターへ向かい、椅子に座る。
「ご注文は?」
「ウイスキー、リオは?」
「度数高めのカクテルをお願い」
「かしこまりました」
バーテンダーはまずローのウイスキーを選び、グラスに氷とウイスキーを入れるとローの前に置く。
そしてすぐにリオが注文したカクテルに入れるものを選び、シェイカーに入れていく。シャカシャカ音を鳴らしながらシェイカーをしばらく振り、グラスに緑色のカクテルを注ぎ、フルーツを飾る。
「お待たせしました、こちらフェアリーランドでございます」
「可愛い名前ね、ありがとう」
2人はそれぞれグラスを持つと軽く合わせ、一口飲む。
「ん…甘口だけど度数強めね。美味しいわマスター」
「ありがとうございます」
「ウイスキーも上等品だ。さすが島一番のリゾートホテルだ」
2人はお酒を飲みながら話をしていく。
以前、離れた2年間の話をしていたが今度は会うまでにあった旅の話。
互いに旅に出ている期間が長い為、話題は尽きない。
話をしながらお互い3杯目のお酒を注文している時だった。
リオがいつも持参している子電伝虫が通知音を鳴らした。