第23章 みんなで息抜き
「はぁ…楽しいなぁ…」
リオはプールに浮かべた大きめのフロートマットの上に横になった状態で呟く。
「リオ、楽しんでいるか?」
いつの間にプールサイドに近づいたのかプールサイドに立っていたローに声を掛けられる。
「楽しんでいるよー。考えてみたら1日ずっと遊ぶのって初めてだから楽しい」
「そうか。同じフロアにバーもあるらしい、行くか?」
「行く行く!お酒飲むー!」
リオがフロートマットから器用に起き上がってプールサイドに移動するとローの手を握る。
「ペンギン、俺達はバーに行く。お前たちはどうする」
「何人かはカジノに行ってるんで俺達も頃合い見てそれぞれ過ごす予定っす」
「じゃあ任せたぞ」
2人はまず濡れた水着をなんとかする為、自分達が宿泊する部屋へ戻る。
そしてリオは着替えを持つと脱衣所に向かう。
念のため脱衣所に鍵を掛け(ローの能力の前では無意味だが)着替えを始める。
リオが着た服は以前ローが買った白の袖の無いブラウスに黒地に裾の白いレースがあしらわれたフレアスカート。右腕にはいつも着けている黒のアームカバー。左手首にはブレスを付ける。脱いだ水着は一度乾かす為浴室に干し、鏡の前でクルッと回って全身を確認する。
「よし、あとは靴っと…」
脱衣所を出て戻ると丁度ローも着替え終わったのか黒のシャツに細身のジーンズを着ていた。
(ローは何着ても似合うなぁ…)
(こいつは何着せても可愛いな)
互いに同じことを想っているとは露知らず…。
リオは自分が持ってきた靴を並べているところに向かい、アンクルストラップがついている黒のハイヒールを履いた。