第22章 オルニスが集う地へ
新世界の海上、赤髪海賊団の船。
甲板で水平線を見つめるクレインは目の前に見える船に腰のホルダーにある銃に手をかける。
よく目を凝らして見るとそれは自分と同じオルニス、スパローの姿があった。
「クレイン、知り合いか?」
銃から手を離したクレインをシャンクスが見ており、そう声を掛ける。
「あぁ。同じオルニスだ」
クレインがそう言うと同時、スパローが船からレッドフォース号に飛び乗り、甲板に降り立つ。
赤髪海賊団のクルーがスパローに構える中、スパローはクレインの前に立つ。
「久しぶりだな。クレイン」
「あぁ、個人的には出会いたくなかったがな」
「確かにな」
笑うスパローはポケットに手を入れるとある物を取り出しクレインに差し出す。
「シルバークロウに会ったらこいつを渡してくれ」
クレインが受け取るとそれは紅い石と青い石がそれぞれ埋め込まれている2つのシルバーブレス。クレインには青いブレスに見覚えがあった。
「この青いのはシルバーの、リオが持っていたはずだ」
「数カ月前にシルバークロウと戦った。俺は奴の右腕に深手を負わせたが…負けた。そして真実を知った」
「貴様…」
「あいつ、いい女だな。あんなガキのくせにシルバーの意思をしっかり継いでる。あいつの男も気に入った」
スパローはそう言うと甲板の柵に立つ。
「だが…俺が知るシルバーは…もういねぇ。俺はこの海で情報屋として生きる理由が無くなっちまった。だから…俺は俺なりのけじめをつける」
「何を…」
「リオ…だったな。今のシルバークロウ、あいつに伝えてくれ。
世話になった。その名に相応しい活躍を、このブレスは俺達の形見と思って取っておいてくれ。あとのやつは墓に埋めた、さらばだ、ってな。」
スパローはクレインにそう言うと足をハイエナの姿に変え、レッドフォース号から飛び、先にあった船に乗ったがそのまま速いスピードで姿を消した。
「お前は何をする気だ…スパロー」
クレインには嫌な予感がしなかった。
そしてその予感はスパローが海軍に自首するというニュースで奇しくも的中する事になった。