第20章 彼女が眠る地へ
「シルバー!」
スパローは歩いて行くシルバーに声を掛け、シルバーは振り返る。
「あ、スパロー」
「あ、じゃねぇ!大丈夫なのか?」
オルニスに推薦したのは自分だが、このような展開になる事を予想していなかった。
まさか彼女一人で海に出すことになるとは…
「大丈夫。スパローと一緒になる前一人だったし。折角ならあいつらに目にもの見せてやろうかなと」
「……そうか。お前は頼もしいな」
「アハハッ!……あ、これ渡そうと思ってたんだ」
シルバーがそう言って渡したのは赤い石が埋め込まれたシルバーブレス。
「私と揃いのブレス。これでどこにいても繋がってるって感じするだろ?」
そう言って見せられたのは青い石が埋め込まれた色違いのシルバーブレス
「あいにく俺に乙女心はわかんねぇ。だがこれはもらっておく」
「あぁ。じゃあ頑張ってくるな!」
シルバーはそう言うとホテルの外へと駆け出していった。
「その1年の動きが他の奴らに認められてあいつはシルバークロウっていうオルニスになった。俺はそれきりあいつには会えず…あいつは殺された。そのブレスはあの日シルバーがくれたやつだ」
リオは左手に乗っているブレスを見る。
おそらくブレスをつけるのは気恥ずかしく付ける事は出来なかったが、彼はこのブレスをずっと肌身離さず持ち歩いていたのだ。
自分の師匠は片身離さず着け続けていた。
会わなかった年月は長かったけど、2人はこのブレスと心が繋がっていたのだ。