第3章 お支払いという名の航海
「お前の事を教えろ」
食事と片付けを終えたリオはローに船長室に呼ばれた。
船長室に入り、ソファーに座るように言われたので座り冒頭に戻る。
「教えろって…一応自分の情報も売ってるんだけど…」
実際は自分の情報は売っていない。
自分がいる場所の情報を他のオルニスに売っても自分の素性は売らない。
それを徹底しているのだが…
「いくらだ」
「えぇ…」
目の前にいる存在は一歩も退かない様子にリオはため息をつく。
「……過去や素性は話さない。私の能力についてなら追加150」
我ながら法外だと感じるリオ。
他のオルニス情報で100なのに自分の情報はそれよりも高い金額。
諦めるだろうと思っていたのだが…
「構わねぇ。話せ」
「えぇぇ…」
どうやら目の前の存在には通用しなかったようだ。
ため息をついたリオは掌をローに向かって差し出す。
「ポイス」
するとリオの掌からプクーッと水の玉が出てきて掌の上に浮く。
「私はミズミズの実を食べた水人間…水分であればなんでも操ることが出来るわ」
「例えばなんだ」
「まぁ…海とか…血液もいける…」
通常であれば海に嫌われる悪魔の実の能力者。
しかしこの能力者は水分を操ることが出来るので大きな水源でもある海も例外ではない。
それでもカナヅチなのは変わらない。
また人体の水分量や血液の流れを止めたりすることもできる少し怖い能力とリオは思っていた。