第3章 お支払いという名の航海
「「「うめぇぇええええ!!!!」」」
朝、食堂に集まったハートの海賊団クルーは目の前の食事を食べ、叫んだ。
美味さに涙を滲ませる者もいた。
「リオは料理がうまいんだな…くぅ!美味くて泣ける…!」
「こんな美味しいご飯…船で食べれるなんて幸せ…」
一人一人、食事の感想言っている中、離れた席で食事を摂るロー。
目の前の食事を頬張りながらクルーの様子を見ている。
「満足してくれたみたいで良かったわ」
ローの向かいの椅子にポトフが入った器を持って座ったリオ。
いただきますと手を合わせると食事を始める。
「……他の船でもメシを作るのか?」
自然な流れで食事を作った彼女。
支払い方法の内容に衣食住の保証とあったのでそう尋ねるが…
「作らないわよ。ほとんど客船に乗るし…今回は栄養管理も兼ねてよ。言っておくけど、簡単に海賊の船なんて乗らないわよ。今回は潜水艦が珍しかったから乗っただけで…」
「あぁ、わかった」
ローはククッと笑いながらそう返す。
少し納得いかない表情でリオはポトフを食べていく。
「リオ!おかわり!」
ポトフを平らげたのかクルーの一人、シャチが元気よくそうリオに言う。
「キッチンの寸胴にあるから自分でお願いします」
リオのその言葉にアイアイ~と返事をしてキッチンへおかわりを取りに行く。
すると他のクルーもわらわらとおかわりを取りに行く。
「……島に着くまで私が食事作っても問題ない?」
「問題ない」
美味しそうに食事を食べるクルーを見て、心が少し温かくなりながら食事を続けたリオであった。