第20章 彼女が眠る地へ
23年前。偉大なる航路のとある島。
「ちっ…ロクな情報がねぇ…」
スパローは島にいた情報屋から必要な情報を買おうとしたが、小さい島故か自身が持っている情報しかない。
「もう一人声かけてダメなら次行くか…」
そう呟き町にいる人を見ながら情報屋を探していく。
キョロキョロ探すと不審がられる事があるので最低限だけ目を動かして探す。
その時。スパローの前に一人の少女が立ちはだかる。
「お兄さん、私のネタ買っていかない?」
「ガキか…てめぇも同業か?」
少女は歳が15~16で小柄。銀色のウエーブかかったショートヘアでタンクトップにジーンズをはいていた。
「うん。そこらの情報屋より情報持ってる」
「ほう。じゃあ…」
「……って感じかな。あとは…」
「もう十分だ」
目の前にいた少女から予想を遙かに超える量の情報が伝えられ、覚える事には苦労しないがその情報量、知識量に驚いた。
「てめぇ名前は?」
「名前?名前は島出た時に封印しちゃったし…コードネームはないよー。つけてない」
「困らねぇか?」
「そこまで言うなら名前つけてよお兄さん」
少女の言葉にスパローはしばし考える。
銀色の髪の毛。膨大な情報を抱え、そして博識ともいえる知識を持つ。
「シルバークロウ…」
「シルバークロウ?銀色のカラス?」
「カラスは頭が良い賢い鳥だ、てめぇは銀髪だからシルバークロウだ」
「ふぅん。かっこいい、ありがとうお兄さん」
少女、シルバークロウはニッと笑う。
「あ、お兄さん名前は?」
「スパローだ」
「え!!お兄さんオルニスじゃん!やば!」
興奮した様子でシルバークロウはスパローを見る。
「てめぇが良ければ俺と来るか?」
「ほんと!?行く行く!よろしくスパロー!」
「いきなり呼び捨てか…まぁいい、よろしくなシルバー」