第20章 彼女が眠る地へ
「ロー、持ってきてもらった木箱を出してもらってもいい?」
「あぁ…これだな」
ローは肩にかけていた鞄から古びた木箱を取り出すとリオの前に置く。
リオはそれを左手で開けるとスパローの身体をポンポンと叩く。
「これ、師匠が死んだ時に身に着けていた装飾品。もしよかったら形見として受け取って」
「あいつの…」
うずくまっていたスパローは身体を起こし、木箱の中にある装飾品を見る。
その中にあったアクセサリーを見つけ手に取る。
それは青い石が埋め込まれたシルバーブレス。
「今から言うのはあくまでも私の憶測だから間違ってても許してね」
師匠をオルニスにしたの…あなたでしょ、スパロー」
リオの言葉にスパローはリオを見る。
「昔、師匠に聞いた事があったの。
どうしてオルニスになれたのか…師匠曰く昔馴染みが推薦してくれたからなれたって。最初はクレインだと思ってたわ、とても信頼し合っていたし…
でもそれは私が弟子入りするまでの間、新世界を旅していた師匠がシルバークロウとして一番関わっていたのがクレインなだけで昔馴染みとは違った。
じゃあオルニスへ簡単に発言が出来る人物は誰なのか考えた時にすぐに出てきたわ…その当時オルニスとして活動している人物であれば、オルニスに相応の人物が現れた時に他の人にも紹介ができる。
そしてあなたの師匠への執着とも言える態度と今の様子を見てある程度の確信が得られた」
リオが言った推測にスパローはポケットに手を突っ込むとある物を取り出す。
それは赤い石がついたシルバーブレスのようなものでそれをリオに差し出し、リオもそれを受け取る。
「俺とあいつの出会いは20年近く前、あいつがまだ駆け出しの情報屋の時だ…」