第3章 お支払いという名の航海
次の日、キッチンで料理をするリオ。
(こっちは野菜多めのポトフにして…卵焼きの中にも少し野菜入れて…)
昨日の食事を見たせいかほとんどの料理に野菜を入れまくる。
(野菜食べない割には野菜の蓄えだけはあるのよねぇ…全く食べないわけではないのよねぇ…多分)
リオがそんな事を考えていると食堂に入ってきた人物がいた。
「あ、まだできて…」
誰かクルーが来たのだろうと声をかけようと入り口の方を見るとそこにいたのはお盆を手に持ったローだった。
「トラファルガー…どしたの?」
「返却だ」
そう言ってリオに差し出されてたのは昨日船長室に持って行ったお盆。
綺麗に完食している食器を見てリオは思わず顔が綻ぶ。
「ありがとう。良かったらコーヒー淹れましょうか」
「あぁ、頼む」
ローはそう言うと椅子に座り、リオは貰ったお盆と食器を流しに置くと料理の様子を見ながらコーヒーを淹れていく。
「料理、得意なのか?」
テキパキと料理をこなしていくリオを見ながらローはそう投げかける。
「まぁ人並みには…むしろあの食生活でよく身体壊さなかったね…」
「俺はパンと梅干しが出なければなんでもいい」
「……」
この船長にあのクルー有りだなとひそかに思ったリオであった。